夢にまで見た美人谷に行く前日は眠れなかった。 川に面した部屋からはゴーゴーと水が 洪水のように流れる音が聞こえ、 私はその度に雨かと思い外を確認してみるのだが、 それが川の流れの音だと分かると二秒後にはベッドに戻り、 眠くもない目を無理やり閉じ…
3000メートル級の山々の上で迎えた朝は寒かった。 私は黒いダウンコートを着て、頂上が白く雪化粧をした 山々を背に歩き出した。 私の次なる目的地は、美人谷への出発点となる丹巴である。 私は夢にまで見た村を前に、落ち着かなかった。 私の今回の旅のメイ…
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