2013-01-01から1年間の記事一覧

23-最終回

私の観光は最後に財布をスラレ終わった。 全くむなしい終わり方だが、 それが私の人生を反映しているのだろう。 あとは列車で一日かけて成都に戻り、 帰りの飛行機に乗るだけだ。長旅ですっかり汚れてしまった青いリュックには この旅で出会った美女との思い…

22-旅の終わりに

とうとう旅の終わりが見えてきた。 三週間に渡ってチベットとウイグル自治区を 旅してきたわけだが、観光らしい観光は いよいよ明日で最後である。そんな明日は、蘭州からウルムチまでの列車内で寝台が 隣になった内モンゴルの女子大生ツァイツァイが ウルム…

21-へんてこポーズ集団

我らぼったくり旅行団は 本日のメインイベント、天池に向かっていた。 ゴルフには行ったことがないが、ゴルフ場で 走ってそうな車に乗せられ、天池に向かう。 この頃になると我らぼったくり旅行団は ある種の連帯感を深めていた。 なんてたって私達は急な乗…

20-我らぼったくり旅行団

「中国にあるスイス。」中国人はウルムチにある大自然をそう形容し自慢するという。 私はガイドブックに載っていたその言葉に惹かれ、 忙しい美女探しの合間をぬって、旅行社を訪れた。 旅行社と言っても、バス停にビーチパラソルを広げ、 簡単なベンチと机…

19-楼蘭に見た夢

ウルムチに着いたのは朝の10時だった。 列車で仲良くなった子供達や、公務員志望の女子大生 ツァイツァイには、ここで別れを告げ、私は一人ウルムチの街に出た。 巨大な駅のホームには、家族を待つ人達や 観光客を待ち構える商売人の群れで、駅はどこも混…

18-中国の車窓から

ウイグル自治区、ウルムチに行くことを決めた私は 同仁からバスに乗り西寧までやってきた。 ここはダライラマ14世の出身地ともかなり近く ダライラマの生家もあり旅行社に手配すると見学することが できるらしいが、今の私にはそんなものこれっぽっちも興…

17-我、寺に飽きる

夏河に来て一夜が明けた。 私と一緒に夏河にやって来た日本人の女の子は、 今朝4時に起きて、バスでさらに田舎の村に行くと いっていたので、私は再び一人になった。この村に来た理由はただ一つ。 チベット仏教ゲルク派の六大寺院のひとつである 拉卜楞寺(…

16-やっぱり鳥葬に行く

郎木寺は何もない。 村の南北に仲が悪く、村を分断するように建つ 大きな寺が二つある以外、これといった観光地もない。しかし気のいいゲストハウスのスタッフと 毎日かわるがわるやって来る旅人達と 一緒にいると、これが思いのほか居心地がよく 私はついつ…