3-もしも関羽に会えたなら

私は三国志が好きだ。

だから中国と言うまっとうな人間なら、
即、嫌悪感を抱きそうな国にも大いに関心がある。
いや、関心があるばかりではない。

私は2009年に中国を2ヶ月旅したが、
それでも物足りずこうして再び中国の大地を踏んでいる。
決して認めたくないのだが、
私はこのお下劣パクリ民族が案外嫌いじゃない。
いや、この際はっきり言おう!


私は案外、中国が好きなのだ。


そんな風に私を中国に向かわせるきっかけとなった、
三国志の聖地と言われる場所がここ成都にあるという。
そこは『武候祠』といい、もとは蜀の丞相として活躍し
三国志でも一、二を争う人気者である諸葛亮
祀る霊廟だったという。
しかし、その後、諸葛亮の主君である劉備の墓が併設され、
主君と丞相を祀る珍しい霊廟になったという。

私は美女探しを一時休止し、タダのいち三国志好きとして、
この聖地を訪れてみることにした。
一体どんなもんやねんと。

ゲストハウスからはバスに乗り30分。
その聖地には案外簡単に着いた。
聖地とよばれるからには、切り立った崖の上とかにあり、
ジャングルをさ迷いながら5時間くらい歩き、
道すがら熊と決闘し、やっとのことでその熊に勝利し、
なんとか命からがら「聖地」に到着したかった私には
少し残念なくらい簡単に着いてしまった。

チケットは60元とガイドブックに書いてある。
日本円で1000円程である。
私はあまりの値段の高さに卒倒しそうになった。
なんとまぁ、高いこと!

私の中国人の友人、えんこう君(援交じゃないよ!)によると
中国人の田舎に住む人の平均月収は日本円で8000円、
上海などの大都会に住む人の平均月収は8万円くらいだという。
この月収例からもここの入場料がいかに法外かが分かるだろう。

そして私はすぐに悟った、これは外国人価格であると!
きっと中国人には別の、秘密の入口があって、そこに並ぶと中国人は
中国人限定価格の100円くらいで入場できるんだろうと。
実際こういう事は中国の他の観光地でも度々あることだ。

ひひひ・・私はよからぬ事を思いついた。
私は中国語もできるし、認めたくないが中国人によくある顔である。
思い出せば、私は中国語がまだ上手く話せなかった2009年、
中国でさんざん「極悪」中国人に騙されてきた。
いつまでも私が騙されてばかりいると思うなよ!!!!
今度は私が・・・ひひひのひ〜!!!!!!

中国人専用入口を極秘に探す事5分。





ない!どこにもない!





仕方ないので、しばらく正規のチケットセンターを
観察してみることにした。
すると一人の大学生らしき女の子が来た。
流暢な中国語を話しているから中国人だろう。
カウンターでチケット一枚といって、
財布から出したのは、なんと、、、60元だ!

私は再び卒倒しそうになった。
あのケチで有名な漢民族が1000円もの大金を払って
『観光』等という娯楽にうつつをぬかしているのだ!

中国も変わったもんである。
しかし、中国人専用入り口がないとなれば仕方がない。
私もなけなしの1000円を払い「正規に」中に入った。

中にはだだっぴろい石畳の道が奥まで続いており、
その脇には数多くの像が見てとれる。

ここ成都はかつての蜀の都があった場所なので、
展示されている武将もみな、蜀の武将達だ。
まっすぐ進んでいくとそこに、おられました!おられました!

劉備玄徳さんです!

アップでどーん。

うーん、確かに初めて見るとインパクトはあるし、
ほぉ〜とも思ったが、どうも細部を見ると作りがちゃっちい。
それにどこか塗装も安っぽい。
私に大量の粘土を買ってくれたら、夏休み期間のうちに
同じ物を作れてしまいそうである。

もともと、この武候祠には1780年の歴史があり、
唐、宋の時代にはすでに有名な観光地だったというが
この像が作られたのがいつか見てみると
清の時代であった1600年後半だと分かった。
中国の4千、5千ともいわれる歴史からすると
つい最近、作られた像である!
どうりで歴史の深みを感じないわけだ。

その隣には関羽張飛がいた。
死してもなお、主君に寄り添い左右を固めている所をみると
日本の助さん、格さんのようである。

それにしても張飛顔怖っ!

関羽は頭も良く、さらに武将としてもかなりの腕で
最後まで主君であり義兄弟である劉備に尽くした
「義」の人とされ中国や日本でも絶大な人気を誇っている。
私も関羽が大好きだ!

これらの将軍達とは少し離れたところに、
この霊廟の主役がおられました。諸葛亮孔明さんです!

レッドクリフ金城武が演じた孔明のイメージで
見るとかなりぽっちゃりしていて、庶民的な顔である。
孔明は頭はいいが、武がないので私はあまり好きではない。
乱世に生きる男はやっぱ強くなくてはならんと思うんだが、
全国に5人いるという私のブログ読者のみなさんは
その辺どうお考えでしょうか。

それにしてもこの霊廟の広いこと!

どでかい池に、

民族衣装を着て喜ぶおばさんに(盗撮のためブレています)

ペアルックを着て楽しそうな漢民族

本人達が幸せなら、それでいいのです!

しかしまぁ、なんと退屈な聖地でしょう。
私は三国志が好きだが、この聖地は退屈すぎる!
これだと神戸、新長田の三国志演義ミュージアムのほうが
よっぽども楽しいではないか!

私は聖地を出て、昔ながらの通りを再現したエリアに出た。

もし関羽が生きていて、こんな退屈な場所に劉備達が
祀られていると知ったらどう思うだろう。

あー、なんだか急に関羽と話がしたくなった。
頭もよくて、戦も強い関羽孫子の兵法について語りたくなった。
風紀乱れた現代の中国について語りたくなった。
一度でいいから、関羽に「あにじゃ!」と呼ばれたい・・。
あ〜どこかに関羽がいないだろうか・・。いないよな・・。
だって、三国志の時代って日本では占いで政治をしていた
卑弥呼の時代だし・・。いるわけないよな・・。



いるわけないよ・・・ん?



ん?



NN。。。




だから私は中国が好きなんです。